病院薬剤師の部署別立ち仕事の多さとおすすめの対策5選

今日も仕事がんばりました!

充実感はあったけどずっと立ちっぱなしで足が痛いです…

毎日お疲れ様です。勤務先にもよりますが、薬剤師という職業は立ち仕事が多いですよね。

立ち仕事が多いと、どんなに楽しい仕事も体力的にきつい…。

この記事では、病院薬剤師の部署別の立ち仕事の多さとその対策について記載しています。

部署別の立ち仕事の多さについてはあくまで個人の感想ですが、参考になれば幸いです。

この記事を読んだら分かること
  • 病院薬剤師はどの部署が立ち仕事が多いのか
  • 立ち仕事が多くてつらいときの対策

結論

まずは結論から。

多くの病院で薬剤師の立ち仕事が多い二大部署は

  1. 調剤室
  2. 病棟

でしょう。

細かい話をすれば調剤室でも座れる役割があったりはしますが、それは一旦置いといて

この二大部署にいる限り立ち仕事はある程度覚悟が必要です。

特に調剤室で調剤(ピッキング)を担当している場合。

もう座れません。自分でコントロールできません。

立ち仕事をどうしても避けたいなら監査に回してもらうか部署異動させてもらうほか、手はありません。

調剤室、慣れないうちはきついですよね。

立ち仕事がつらい時の対策は、

  • 靴を変える
  • 身体のメンテナンス
  • 隙あらば座る
  • 上司に相談して配慮してもらう
  • 部署異動

です。

隙あらば座る、に関しては部署別に座れるチャンスについて言及します。

以下詳しく解説していきます。

部署別の立ち仕事の多さ

第1位 | 調剤室

調剤室担当者のみなさん、堂々の1位獲得おめでとうございます。

調剤室は業務内容上、どうしても立ち仕事にならざるを得ない部分が大きいです。

そのため、自分でタイミングを見つけて座ると言った身体的負担を軽減するコントロールも難しいです。

その点を加味すると病院薬剤師の中で最も立ち仕事のつらさを背負った部署と言っても過言ではないと思います。

調剤室の業務は大きく分けて

内服・外用剤調剤

内服・外用剤監査

注射剤調剤

注射剤監査

薬剤交付・服薬指導(院内処方の場合)

となりますが、このうち「調剤」業務が立ち仕事です。

監査も薬剤交付・服薬指導もあまり人員は割かれないので、調剤室では調剤業務の人が圧倒的多数です。

必然的に立ち仕事の確率が高くなります。

第2位 | 病棟

次に立ち仕事が多いと言えるのは病棟業務です。

病棟業務は立ち仕事はもちろんですが、移動距離が大きく上下運動が多くなりがちです。

この上下運動がきつい。

勤務先によっても違うと思いますが、

担当病棟までの行き来で毎日数回階段の昇降運動を繰り返す病棟担当薬剤師

けっこういらっしゃるんじゃないでしょうか。

ただ、調剤室と比較しカルテ記載のタイミングで座れるので身体的負担のコントロールはしやすいです。

同率第3位 | 抗がん剤・TPN調製

抗がん剤調製・TPN調製部門の立ち仕事のきつさは、勤務先によって差がありそうです。

病床数の多さや一日あたりの調製件数によって立ち仕事の多さは変わってくると思います。

病床数の多い規模の大きい病院の場合、調製部門の中でも

  • 処方箋受付・問い合わせ担当
  • 外回り担当
  • 調製担当

みたいな感じで分かれていることが多いと思います。

この場合、外回り担当だけは立ち仕事です。縦横無尽に動き回る必要があります。

しかしそれ以外の担当は、カルテ端末前か安全キャビネットやクリーンベンチの前に座りっぱなしが多いです。

そのため、立ち仕事とはほぼ無縁となります。

一方、病床数少なめだったり、一日あたりの抗がん剤・TPN調製件数が少ない場合。

1人で処方せん受付、問い合わせ、調製といった仕事を兼任する場合もあります。

その場合は前者と比較して立ち仕事となる割合が多くなります。

同率第3位 | 製剤室

製剤室の立ち仕事の多さももしかしたら勤務先によって異なるかもしれません。

私の元職場の場合、製剤室では

  • 院内製剤のオーダーをPC端末で確認、問い合わせ(座り仕事)
  • 材料と器具を集める(立ち仕事)
  • 院内製剤の調製(だいたい立ち仕事、座ることもある)

という感じの仕事内容だったので、抗がん剤・TPN調製業務と同等か、より立ち仕事が多いくらいの感覚でした。

そのため、製剤室は体力的にはそんなに心配ないです。

第4位 | 治験

治験に関わる業務は大きく

  • 被験者対応などの対人業務(座り仕事)
  • 事務作業(座り仕事)
  • 調剤(立ち仕事)
  • 調製(座り仕事)

に分けられます。このうち調剤業務のみ立ち仕事がありますが、他はほとんど座っていることが多くなります。

  • 治験薬は個別に薬剤を割り当てられている
  • 薬局方収載前の薬剤をあつかうので薬剤名が分かりにくい

調剤や調製に緊張感があります。

治験業務は次に挙げるDI業務同様、肉体労働というより精神的にきつい部署と言えます。

第5位 | DI

こちらはみなさんご納得の最下位(最上位?)かと思います。

DI部門は立ち仕事の少なさで言えばトップクラス。

肉体労働から最もかけ離れた頭脳労働の極地がこちら、DI(drug information)部門です。

輸液が入った重たい段ボールを持ち上げることも、病棟と薬剤部の行き来で永遠に階段昇降することもありません。

手に持つものは電話と書籍とマウスくらいです。

立ち仕事がきつい方が異動するには最適の部署です。

ただし頭脳で戦うタイプの戦闘部署ではあります。

薬学的知識や臨床経験が少ないと、肉体労働系部門とは別の意味で汗が止まりません。

立ち仕事が多くてつらい時の対策

ここからは立ち仕事が多い場合の対策について記載していきます。

ここでお示しする方針は5つです。

  • 靴を変える
  • 立ち仕事で疲れにくいよう身体をメンテナンスする
  • 自分で隙をみて座る
  • できるだけ今の部署で立ち仕事を減らす
  • 立ち仕事が少ない部署へ異動させてもらう

申し上げにくいですが、たちまち立ち仕事を楽にするような対策は1つしかありません。

部署異動です。

異動に関しては持病や妊娠などの理由がなければ言い出しづらいので避けたい方もいますよね。

まずは上記2つから試してみることをおすすめします。

また、立ち仕事がつらい方は大きく4タイプのつらさを感じていると思います。

  • 腰が痛い
  • 足が痛い
  • 頭が痛い
  • 疲労感がある

それぞれへの効果の高さを表してみたので参考にしてください。

以下説明していきます。

靴を変える

簡単に試せて効果もあるので、まず靴を変えることから始めましょう。

個人の体験談で恐縮ですが、私は就職当時2000-3000円くらいの安いナースシューズを履いていました。

結論を先に言います。

ナースシューズは病院薬剤師には良くないです。

理由は以下の通りです。

  • 立ち仕事で疲れやすい
  • すぐに壊れる
  • 爪先が出てるので針刺しリスクがある

勤務先の規定でナースシューズじゃないといけない、とかではない限りやめときましょう。

では、ここでおすすめの靴の条件を紹介します。

  • 軽い
  • 通気性が良い
  • 脱ぎ履きが簡単
  • クッション性が高い
  • オープントウタイプではない

個人的な感覚ですが、靴底が厚くしっかりしてるスニーカーとかより、靴底が比較的薄く柔らかいタイプの方が疲れづらかったです。

もう一つ大事なことは

靴は試着をしてから購入すること

です。

評判のいい靴をネットで買うより、近隣の靴屋さんで良さそうな靴を片っ端から試着して買う方が自分に合った靴を選べます。

身体のメンテナンスをする

お灸

体力がなく腰痛持ちの私が最も試して良かったメンテナンス法はこちらです。

その昔、職場に疲れ切っていた私はマッサージ、鍼、お灸と色々通っていました。

しかし効果は一時的だし、経済的に通い続けるのは厳しい。

同じようにお困りのあなた。

お灸が市販されているのはご存じでしょうか。

使い方は簡単です。

  • お灸に火をつける
  • 凝っている場所に貼る
  • お灸が冷えるまで放置

ね?簡単ですよね?

これだけで痛気持ちいい刺激と快眠が得られます。

家が煙たくなるのは難点ですが、その欠点を補って余りある効果実感でした。

家が煙たくなるのや火を使うのが怖い方は、火を使わないタイプもあります。

特に効果実感があった貼付部位は

  • 膝内側
  • ふくらはぎ
  • 足首
  • 腰(自分では貼れないので人に頼む)

合谷とかも有名ですが、個人的にはそこまででした。

お灸、ほんと、おすすめです。

入浴

立ち仕事によるお悩みの中でも、頭痛に特に効果を感じます。

一人暮らしの場合、お湯を溜めるのはガス代や水道代を気にする方もいるかもしれません。

しかし、翌日のパフォーマンスを上げるためにも、特に疲労感が強い日は湯船につかることをおすすめします。

ちなみに適切な入浴により、睡眠改善効果が示唆されています。

介入研究 (クロスオーバー比較試験) の報告から、適切な温度 (41°C(中央 値)) で、適切なタイミング(就床 1.88 時間前(中央値))で、全身浴が行われる場 合において、睡眠潜時の短縮、深睡眠の増加といった睡眠の改善効果がみられる可 能性が示唆された

入浴と睡眠の関連に関するシステマティックレビュー(研究分担者 内山 真 研究協力者 降籏隆二)

上記システマティックレビューで示されている

適切な入浴とはこんな感じです。

  • 41℃くらい
  • 就寝約2時間前

睡眠効果の底上げのためにもお試しください。

マッサージ

おすすめです。プロのマッサージはもちろん良いのですが、家で手軽にできるセルフマッサージがおすすめです。

幼い頃から親戚中のおじいさまおばあさまの肩揉みをして可愛がられていた私がおすすめするおすすめマッサージ部位は

  • 臀部
  • ふくらはぎ

です。立ち仕事をしている方には効きます。

個人的には頭痛にもかなり効くと盲信しています。

ぜひお試しください。

デスクワークには頭皮や前腕のマッサージも効きます。

マッサージのお役立ちアイテムは

マッサージガン

です。

マッサージすると手が疲れますが、これを使えば手が疲れません。しかも色んな形があるので部位別に適したアプローチができます。

特に臀部の筋肉をほぐす時、手でするのは力が必要ですが、マッサージガンを使うと楽かつ強力にアプローチしてくれます。

ただ、お高いです。

カジュアルに購入できる金額ではないので、個人的には困り感がなければ手でマッサージで良いと思います。

定期的にプロにマッサージしてもらっている方には自宅で効果的かつ気軽にできるのでおすすめです。

睡眠

ありきたりな身体のメンテナンス法ですが、やはり睡眠は欠かせません。

私は疲れすぎて毎日22時に寝て同僚からもネタにされていました。

睡眠を優先するあまり、食事も入浴もおろそかにしてでも22時半には寝てました。

(本当は入浴して寝た方が疲れとれるのでベターなのですが。※入浴の項目参照)

ですが、騙されたと思って22時に寝てみてください。

一番感じるのは、頭痛が起きにくくなることです。

お肌もツヤツヤ、頭も冴えて良いこと尽くめです。

やはり早寝早起きは正義です。

隙あらば座る

調剤業務向け対策 | 監査に回る

調剤室にいる限り、座り仕事をすることはできません。

監査以外は。

そう。

監査は、調剤室で座ることを許された唯一の業務なのです。

調剤室で座りたければ監査に回りましょう。

誰が監査しても良い環境なのであれば、しれっと監査側に回れば良いだけです。監査台があるなら空いたタイミングでするっと入り込みましょう。

ただ、勤務先によっては監査はベテランのみに制限されていたり日替わりで指定されていたりすることもあります。また、監査業務の人が座らない慣習の病院もあるかもしれません。

その場合は上司に相談です。

病棟業務向け対策 | カルテ確認・記載

上司に相談して配慮してもらう

上司も医療従事者の一人なので、理由をきちんと説明すれば立ち仕事が少なくなるよう配慮してくれることが多いです。

納得させられるような理由が肝です。

  • 妊娠中である
  • 腰椎椎間板ヘルニアなどの疾患を持っている
  • 脚や腰を怪我した過去がある
  • 交通事故の後遺症がある

上記辺りはほぼ確実に配慮してもらえる理由となり得ます。

  • 腰痛持ちなど慢性的な不調を抱えている
  • 貧血持ち
  • 生理が重い

上記もおおよそ認めてくれるかと思います。

そこまで納得させられるほどの理由が思いつかないという場合も正直に現状を伝えましょう。

困り感が強い場合は病院受診もありです。副次効果として受診したという事実も、配慮してもらう一押しになりそうです。

部署異動させてもらう

特に調剤室勤務者は、立ち仕事を減らすのも限界があります。

まずは部署内で配慮してもらえるか相談して、それでも難しければ部署異動を相談することをおすすめします。

特に疾患、後遺症、妊娠などのやむを得ない理由があり、業務に支障が出ている場合は異動を認めてもらえる可能性は高いです。

まとめ

立ち仕事が多い部署と対策について記載してきました。

結論としては

立ち仕事が多い部署ツートップは

  • 調剤業務
  • 病棟業務

立ち仕事が多い時の対策5選は

  • 靴を変える
  • 身体のメンテナンス
  • 隙あらば座る
  • 部署内で配慮してもらう
  • 部署異動させてもらう

でした。

補足*もし問題が解決しなかったら

もし

  • 人間関係的に言い出せない
  • 部署異動の希望が通らなかった

などの理由で解決しなかった方は、

薬局への転職もおすすめです。

もちろん全ての薬局が立ち仕事がないわけではないです。かえって今より立ち仕事が増える可能性もあります。

しかし2社の薬局、5店舗の異動を経験した個人的な感覚としては、薬局の方が座れます。

少なくとも、動き回る範囲は小さくなることが多いです。

立ち仕事がきつい、という理由だけで一般的には転職は考えないと思いますが、身体的不調がどうしてもきつい時はそのような手もあることを知っておくと気が楽になります。

転職活動の時には薬局見学をして、その薬局の薬剤師たちが座れてるか確認しましょうね。

あなたの今後の薬剤師人生がより良いものになるよう応援しています!

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