病院薬剤師の「仕事がきつい」を定量できるなら
精神的きつさ>体力的きつさ
だと個人的に感じています。
(体力的にもきついですけどね…)
この記事では、「病院薬剤師の仕事が精神的にきつい」を言語化してみようと思います。
結論
先に結論からいきます。
病院薬剤師の精神的きつさを言語化するとこうなります。
- 人間関係がきつい
- 責任が重い
- 能力が追いつかない
- 患者さんみててつらい
- 発表に追われる
こう書いてみると、なんだかライトに見えますが、一つ一つ非常に重たい悩みです。
それでは次から解説していきます。
人間関係がきつい
薬剤師と合わない
攻撃力が高い
私は病院と薬局の両方での勤務を経験していますが、病院薬剤師と薬局薬剤師は明らかに勤務している薬剤師の様相が違います。
一言で表すなら、
攻めの病院薬剤師、守りの薬局薬剤師
です。
攻めの病院薬剤師、なので
攻撃力が強いです。
勤務先にもよるので一概には言えないですが、友達をみてもこの傾向はあります。
そのため、自分の防御力が低いと毎日致命傷を負います。
相手は悪気はない場合もあります。
(悪気ある場合もありますが…)
特に病院に長く勤務している薬剤師なんて歴戦の猛者たちなので、気づかないうちに攻撃力が上がってしまい何気ない一言でこちらを仕留めにくるのです。
「え?そんなことも知らないの?」とかは普通ですね。挨拶です。
特に新卒で入ったばかりの頃は、薬剤部も病棟も魑魅魍魎はびこる魔界に見えることでしょう。
よく気づきましたね。
そうです、そこが魔界です。
能力主義
知識と経験を携えた薬剤師が正義です。
求められるレベルに応えられなければ槍で刺されます。
能力さえあれば、多少口が悪かろうと態度が悪かろうと許されます。
例えば
- 認定、専門薬剤師の資格を持っている
- 病棟で他職種から厚い信頼を得てチーム医療に貢献している
- 特殊な業務についている
みたいな方は一目置かれます。
あと、勤続年数が長い場合は無条件に認めてもらえる傾向があります。
逆を言えば、裸一貫、薄ーい知識の新人薬剤師にとっては非常に生きづらい世界です。
変わった性格が見逃されやすい環境である
病院は、一般的には薬局と比較して勤務薬剤師の人数が多いです。
人数が多いので、各個人への注目度が薄まります。
よって、多少性格が変わっていても見逃されやすいです。
自分が性格が変わっている側なら良いのですが、そうでない場合、困った事も起きます。
薬剤部全体では見逃されていた個性強めの薬剤師が同僚になるリスクがあるのです。
特に悲惨なのが同じ病棟を担当するペアや少ない部署の同僚が癖強だった場合です。
逃げ場がないので精神的に追い詰められます。
医師と合わない
今まで出会った医師たちはインテリジェンスだけでなく、コミュニケーション能力にも長けている方がほとんどでした。
対人業務が多いからか人当たりが良い方ばかりで、心から尊敬する医師に沢山出会ってきました。
その前提を踏まえた上で
中には高圧的なタイプの医師もいました。その場合、業務に支障が出ることもあります。
大抵は電話をかけた時に遭遇します。
あくまで一個人の印象ですが
- 外科医
- 年齢が高い
- 男性
- 国公立大卒
といった場合、警戒していました。
医師は多忙かつ高難度の業務を並行してこなしているため、余裕がないのもしょうがないと理解しています。
もちろん上記に当てはまる方でもコメディカルと協調的に仕事に取り組んでいる医師も大勢います。
罵倒とかは良いんですけどね、慣れるので。
問題はこちらの伝達内容を聞いてくれない時です。
相手が話を聞いてくれないタイプと察した際は
- 伝達内容を極限までコンパクトにまとめて、簡潔かつ早口に伝える
- 忙しいであろう時間帯は避ける
ことを意識していました。
簡潔だろうと早口だろうと「忙しい」とガチャ切りされる場合もありますが。
看護師と合わない
医師同様、優秀で柔軟な看護師さん達には何度も何度も助けられてきました。看護師さんは患者さんの情報を誰よりも把握しています。
なので、病棟業務を行うには看護師さん達との関係作りはマストです。
なかでも、最も緊密な関係を築きたいのが病棟看護師の実働部隊のトップである主任さんです。
(勤務先によって役職名は変わるかもしれません。)
主任さんだけは何があってもおさえておきたい重要人物です。
ここで、主任さんのキャラクターによって難易度が変わるわけです。
ピリッと辛口ストロングタイプだと精神的にきついものがあります。
ピリっと辛口ストロングタイプの一例
- 口調がきつい
- 早口
- オーラが怖い
- こちらからのお願いを受け入れてくれない
- 今までしていなかった業務を押しつけられる
何度も冷たくあしらわれると、病棟行くのが嫌になって薬剤部に引きこもりたくなります。
看護師さんに話しかけるタイミング見計らうのが習慣になって、空気読む力がつきました。
事務員と合わない
患者さんと合わない
一般的に、病院に入院している患者さんは薬局に来るような患者さんと比較すると
深刻な健康問題を抱えていることが多いです。
(勤務先にもよるので例外はあるかと思いますが。)
そのため
患者さん自身が精神的余裕を失っていることもあります。
したがって、薬局と比較して対応が難しい患者さん比率はやはり高くなります。
- 定期内服薬を見せないなど治療に非協力的である
- 大声で怒鳴るなど威圧的である
- セクハラ発言をしてくる
いやー、どれもしんどいですよね。
難しい患者さんに当たった場合は、こまめに同じ病棟担当者や病棟のフロアリーダーに報連相しておくことをおすすめします。
いざという時助けてもらうといったこちらのメリットだけではなく、自分が休みの時に対応してくれる他の薬剤師に情報共有しておくという意味もあります。
また、明らかな問題行動がある訳ではなくても、相性の問題で合わない患者さんもいます。
これは人間同士なのでしかたないですが、お互いつらいです。
合わなくてもプロとして誠意を持って対応するけど、精神的にはかなり負担ですよね。
責任が重い
ミスが怖い
能力が追いつかない
調剤や監査ミスが多い
注射薬調製ミスが多い
知識が不足している
患者さんみててつらい
先にも記載したように、病院に入院している患者さんは
深刻な健康問題を抱えていることが多いです。
シビアな状況に遭遇することもあります。
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